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ボンボン転落してDQN、金の亡者の話 その1
704: 出川哲朗 ◆gc/JX/GnzA 2012/11/17(土) 17:50:50.95 ID:G8Y5wWdP0
母親は明らかに不機嫌だった。
言いたいことは分かっていた。

仕事から帰ってきた母親は、いつも疲れていた。
そんな母親を見るのを俺は嫌いだったし、いつも憂鬱だった。

この母親が良くも悪くも様変わりするのだが、うちをさらに不幸にしていくわけだが、
それはもうちょっと先の話だ。

学校は暴力的な地獄と孤独だった。

家庭は暗く、心が安らぐところではなかった。

母親をいたわるようなことなど、俺には出来なかった。

俺の家は、母が朝に米だけを炊いておく。
おかずは帰りに買ってくるのだ。
値引きになった安いコロッケなんかだ。
たまに母親がかけもちでやっている惣菜屋のパートが入った時は、
グレードがアップするが、さらに母親は疲れている。

味気ない食事を二人で終えて、テレビを観ていた。

母親の言いたいことは分かっている。
俺にアルバイトをしてほしいのだ。
とはいえ、それが言い出せない。
教育熱心だった母親が高校生の子供にバイト行けバイト行けとは言いにくいのだ。

遠足の費用、上履きを石橋にボール代わりにされて、
届かない場所にあがってしまいロストした。、
そんなことで金を無心するたびに、発狂する勢いだった。

当時の俺は、親の性格が変わったとしか思えなかったが、
すべては金がないせいだ。

自分でも早くアルバイトをしようとは思っていた。

コミュ障の俺に出来るアルバイトは工場か何かだろうか?
もしも近所に「アフロ田中」のロボが働いていた職場があったなら、そこに行きたい。

705: 出川哲朗 ◆gc/JX/GnzA 2012/11/17(土) 18:41:03.33 ID:G8Y5wWdP0
誰だって、美味いもんは好きだ。

俺は中学まで、小遣いを月額8万円貰っていた。

ちゃんとした家庭であれば、いくら家に金があっても、
こんな渡し方はしない。
つまり、金はあったが、そういうレベルの家だったのだ。

本当の坊ちゃんは、小遣いはほとんど貰えていなかった。
しかし、欲しいものはちゃんと親に伝えて、
親の理解が得られれば買ってもらえた。
たとえば、トロンボーン。
坊ちゃんは買ってもらうとなったら、
まずは親戚やらで持っている人がいれば、
そこからお下がりで貰う。
上達したら、本当に高いものを買ってもらっていた。

俺の家は乱暴に「わっはっは」と金を渡されていた。

俺も、ヒャッハーwwww

と使っていた。

706: 出川哲朗 ◆gc/JX/GnzA 2012/11/17(土) 18:48:25.05 ID:G8Y5wWdP0
朝は専業主婦の母親が、普通に作ってくれた。
メシ、味噌汁(卵入り)、シャケ、おしんこ、ノリ、
あたりはある。

俺はせっかく作ってくれても
「今日はケロッグな気分なんだよ!」
とか調子こいて、
ケロッグうまいよケロッグ
なんてこともやっていた。

昼飯は最寄駅から学校までの途中にある
弁当屋でその日の気分で決めていた。
値段はあまり気にせずに食べたいもんを買っていた。

放課後に菓子パンやら、うどんを食ったりもした。
ゲームセンターでかなりの金額を落としたりもした。

平日の夜は、父親が同席する場合は、刺身やらステーキやらがつく。
父親がいない時でもそこそこのものが食卓に並ぶ。

土日の夜はだいたい外食だった。
父親が好きな寿司だったり、俺が好きなフレンチだったり。

そんな生活をしていたので、
今の落差はなかなか耐えがたいものだった。

高校時代の俺の食糧事情は貧しいもんだ。
晩メシが前述のとおりだから、想像はつくだろう。

朝はタマゴと納豆で食べる。美味いんだが、
毎日これで、選択筋がこれしかないとなると、
なかなかキツイ。

料理なんかやり方がわからない。
天才の俺だから、やれば出来るが、調べる気にもならねー。

問題は昼だ。

707: 出川哲朗 ◆gc/JX/GnzA 2012/11/17(土) 18:51:08.57 ID:G8Y5wWdP0
高校のランチは5つの選択筋がある。


登校する時に何か買う
学食
抜け出してラーメン屋なんか行く
弁当
購買のパン


登校時に買うというのは悪くない選択なのだが、
いかんせん朝は余裕がない。
中学時代は通学に片道1時間、今は歩いて10分弱なのだが、なぜか
朝というものは時間がギリギリになる。
通り道にないのでかなり面倒である。
それに安いわけじゃない。

学食は >>366 でも書いたとおり、修羅の住む町。
石橋クラスでも、名もなき修羅に殺されるレベルだ。
ダンカンだったら、シャチの手下に殺されてるだろう。

抜け出してラーメン屋なんか行く、
というのは不良のやることである。
不良、大嫌いなんだよ!!!

弁当は無理に頼んで母親に一度作ってもらった。
白米に目玉焼きを乗せて、横にウインナーがあるだけの、
とても見てくれの悪いものだ。
タンパク質と炭水化物ばっかりで、俺的には問題ない。

708: 出川哲朗 ◆gc/JX/GnzA 2012/11/17(土) 18:51:38.75 ID:G8Y5wWdP0
しかし俺が弁当を持っていったのが珍しかったのか、
ダンカンが寄ってきた。

ダンカン「コイツの弁当、人としてどうなの?」

石橋「なんか、くさそうだなwwwおいwww」

ダンカン「出川弁当、20円です」

石橋「20円でもいらねーよwww」

緑や赤といった色味のない、
白、黄、茶の弁当は確かに薄汚いコントラストだったが、
からかわれて、気が狂いそうになり、
もう母親に弁当を頼むことはなくなった。
あの年頃は妙なことが恥ずかしいものだった。

結局、いつも購買のパンだった。
人が嫌いだ。
人が怖いのだ。
俺は、人が少なくなってから購買に行くので、
人気のないメロンパンとレーズンマフィンが残っている。
それを買って食う。
焼きそばパンやソーセージパンに
ありつけることはあまりなかった。

とにかく隠れるように買ってきて、コソコソ食っていた。

それでも、石橋にジュースをパンにぶっかけられて、
台無しにされたこともあった。
腹が減って腹が減って仕方なかった。

学食で温かいメシでも食ってみたいもんだ。
2年になったら行けるのだろうか?
まぁ、まずは無理だろう・・・

悲しいことに、俺のこのときの夢は、半ば本気で

後藤か中川のおっぱいを生で観る
学食でメシを食う

だった。
まぁでも、夢がない子供が多い中で、
俺はしっかり自分の夢を持っていたわけだ。
それもかなり明確に。
ここは評価に値するのではなかろうか。

709: 出川哲朗 ◆gc/JX/GnzA 2012/11/17(土) 18:56:47.88 ID:G8Y5wWdP0
相変わらず、俺のイジメは続いていた。
悲しいくらい順調に油断すると足を引っかけられたり、
あるいは体育の授業中にダンカンのとび蹴りをくらったり。

あのトイレの一件から完全に
俺を敵視していた石橋の影響もあって、
当然、容赦はなくなっていた。

カンフー映画が放送された次の日は、
必ず派手な大技を繰り出される。

観てるのか?あいつら。
クソだな、クソ。ガキが。
俺も観てたけど。。。

俺は制服の下に布を入れたりして防御力を高めたりと、
涙ぐましい努力をしてた。

712: 出川哲朗 ◆gc/JX/GnzA 2012/11/17(土) 19:07:53.77 ID:G8Y5wWdP0
柴田はよく分からない存在だった。
明らかに俺と交流があることは隠したい。
だけど、誰もいないと話しかけてくる。

俺に興味を持っていたのだろうか?

真面目な俺に対して、ヤンキーとは?みたいな話をする時、
ドヤ顔であったから、そもそもそういう話を初心者相手に
するのが好きなのかもしれない。

そして、そういう人間はどの社会にもいるものだから。

単に優しい気のいい奴なのかもしれない。

俺にとっては、いまのところ、唯一見えてきた、
高校生活のプラス要素のため、柴田との交流は歓迎だった。
イジメの時に一人手を抜いてくれるし、
「出川なんかほっといて、あれいこうぜ」
と誘導してくれたりするから。

真田とバラ中の伝説を聞いたのも柴田からだった。

713: 出川哲朗 ◆gc/JX/GnzA 2012/11/17(土) 19:09:53.61 ID:G8Y5wWdP0
朝、石橋にまじって俺をいじめる柴田と、
帰りに一緒になることもあった。

俺は比較的家が近いのだが、柴田は少し遠い。
同じ方向だったので、帰りに出っくわすと

「ヤニ入れようぜ」

と俺を公団内の公園に誘って、少し話をしたりした。
ベンチに腰かけて、柴田はタバコを咥えると、
ジッポで火をつける。
オイルには香水みたいなものが混ぜているらしい。
DQNって小物こだわるんだよな、なぜか。

吸い方も変である。
まず、吸いこんで、肺には入れずに、口元で漂わせる。
その煙を、さらにガバっと吸い込んで、深く肺に溜める。

そして、フーっと吐き出す。

気が向くと「っぱねー」とか言う。

大人はタバコ吸っても、そんな大げさなことしません。

714: 出川哲朗 ◆gc/JX/GnzA 2012/11/17(土) 19:10:27.57 ID:G8Y5wWdP0
うちに金がないのを伝えていたせいか、
缶コーヒーを奢ってくれたりもした。

柴田なりに、石橋に迎合しながら、
やりたくもないイジメに加担しているのが
心苦しいのかもしれない。

このところ、柴田は石橋の悪口を言うようになっていた。

柴田「結局よ、石橋がいた多摩中ってのは、
徹底的に北中にやらてないわけ。
その日に居た2、3人がシメられた程度。
うちらの中学はそりゃ、ほとんど壊滅させられたけどな。
俺と的場でけっこう頑張ったのがマズくて、長引いて、
仲間とかさらわれたりしたしな。
一応、このあたりだとよ、結局は北中、東中ってことよ。
あいつらにやられた学校は下向くしかなくて、
たまたまやられていない学校は
一応は評価未定みたいな感じになるわけ
だから、石橋はちょっと俺と的場をナメてんだよな。
はっきり言って、石橋とタイマンしても、
俺りゃ負ける気しねーよ。
ムカつく時もあるし、的場も同じこと言ってた」

wktk

ではあったが、前にも書いたとおり、
俺は本心とチンポは皮にかぶせてしっかりガードしてる。

715: 出川哲朗 ◆gc/JX/GnzA 2012/11/17(土) 19:11:37.50 ID:G8Y5wWdP0
簡単に油断はしないのだ、相手が柴田であっても。
もしかして、ここで俺が何か言おうものなら、
ベンチの後ろから

「おらwww出川wwwてっめ、何を柴田と
企んでんだよwww」

と躍りかかってきても、
おかしくないと本気で恐怖していた。

で、話をスルリンと変更する。

俺「真田の学校はどうなの?」

柴田「あそこはほら、なんてーの。
自分からは仕掛けてこないから。
ちょっかい出そうもんなら、
マジで死人出てもおかしくない喧嘩すっけどな」

死人出る喧嘩なんてwwwあんたwwwねーからwww
とは当時思えずに、真面目に俺は「恐ろしい」と感じていた。

716: 出川哲朗 ◆gc/JX/GnzA 2012/11/17(土) 19:15:24.64 ID:G8Y5wWdP0
柴田「だからよ、北中にしても東中にしても、
バラ中はビビりまくっていたんだよ。
まぁ、表向きはよ、人数もいねーし、いいぜ、ほっとこうぜ、
みたいなことだったらしいが。
だってよ、4人とも危なすぎるだろ、
バラ中は。俺なんか、真田の目、見れねーぞ。
普通ヤクザ相手にあそこまでやるか?
族潰すか?厨房が?
っぱねーよ。
まじ、目みれーねよ」

けっこうキレイな目してるんよ、真田。
とか、ちょっとだけ優越感な俺。
だんだんとDQNに染まりつつあるのだろうか?

俺「でも、たまに話すけど、みんなが思ってるほど、
怖い人じゃない気がするけど」

柴田「馬鹿、出川、甘いよ。
たとえば、真田の彼女、いるのかどうか知らねーけど、
ちょっと強姦してみん? まじで殺されるよ」

そりゃ、真田じゃなくても怒り狂うだろwww
ってか、ちょっと強姦って、あるのかよ!?
そんな頃合いがwww
たとえ話が馬鹿すぎwww

的場はよく分からないが、確かに、
最近の柴田と石橋には距離を感じる。
柴田が石橋に対して「はぁ?」などと
挑発的なことを言ってることもあった。
狡猾な石橋がその変化に気づいていないとも思えず、
さらに残忍な石橋が柴田になんかしらの制裁を加える可能性もあり、
陰湿かつ政治的な石橋が搦め手を考えていないわけはないと
勝手に俺は柴田の心配をしていた。

717: 出川哲朗 ◆gc/JX/GnzA 2012/11/17(土) 19:17:20.54 ID:G8Y5wWdP0
ちょっと外出。
これから仕事頼んでる人とメシ食ってくるわー。

今日も読んでくれてありがとな、お前ら。

遠足あたりまで、しばらくダルイ展開が続くが、気が向いたらよろしく!